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2020.12.24 Thu  2021.12.17

わかりやすい償却資産の申告と固定資産税

Webハック

わかりやすい償却資産の申告と固定資産税

償却資産の申告と固定資産税について

固定資産税というと個人資産に対しての税金のような印象がありますが、企業が有する資産に対しても課税されます。

企業の場合は設備投資で購入した高額設備など、耐用年数(どのぐらいの年数使用可能か)に応じ減価償却として計上(複数年に分割して費用として計上)されるため、経費としてとらえがちですが、減価償却での経費計上された勘定科目は、資産償却が終了するまで、毎年固定資産税の申告が必要になります。

基本的には保持する資産に対しては課税していくという税制上の対象になるので、減価償却資産を保有する企業は注意が必要です。

減価償却費について

減価償却費とは帳簿上の勘定科目のひとつで、通常年度毎に経費計上する勘定科目を、耐用年数によって、複数年にわけて経費計上していく科目です。 税率は同じでも、耐用年数の経過により資産価値が下がっていくので、毎年納税額は減っていきます。

対象となるのは、ざっくり言えば事業で使用す資産として1年以上使用できて取得価格が10万円以上(条件により30万円以上/年合計300万迄)の固定資産が該当します。

固定資産には有形資産と無形資産があり、設備投資から特許権、家畜や樹木などまで該当すればすべて償却資産として課税対象となります。

減価償却できない固定資産
  • 経年劣化しない土地や借用地、美術品や骨とう品など
  • 売上計上可能な棚卸商品等

基準としては、業務に直接関係のない経年劣化のない固定資産が減価償却対象外となるとわかりやすいでしょう

分割して経費計上した減価償却費にも年度ごとに異なる固定資産税がかかる

償却資産税の税率

  • 減価償却した固定資産に対する税率は、その年の1月1日時点での固定資産へ毎年の評価額へ税率の1.4%が納税額にります。
  • 評価額の算出方法は決まっており、減価償却の分割計算方法は、定額法と定率法があります。
  • ちなみに償却資産税という税金は正式にはありません。償却資産に対する固定資産税(地方税)です。

毎年の減価償却資産の分け方の違いで、定額法は均等分割して毎年同じ固定資産税を納めるので資産計画が立てやすく、シンプルな方法です。

定率法は未償却残高に対して毎年定率法減価償却率0.200を掛けていくので、毎年納税額は減っていきますが、初年度が高く経年により支払い税額が毎年ある最低価格までは低くなっていく点が特徴です。

ただし、資産項目により元々算出方法が固定の資産、基本の分割方法があるものがあるので、固定資産の種別によりそれぞれの分割計算方法が異なるので注意が必要です。

いずれも最終年度には備忘価額として1円を差し引いて計上し、その後は、耐用年数の消化により資産価値がなくなった(残存価値がない)固定資産を会計処理が必要なので、その固定資産がある限り毎年1円の償却資産計上をすることになります。

備忘価額の固定資産を処分したり手放した場合には、除却損として対象の固定資産を計上することで、帳簿上からなくすことができます。

減価償却が完了したら、その後は備忘価額として1円で帳簿に残る

耐用年数はどう決める?

固定資産の耐用年数の算出方法は、一律取り決められており、資産内容により耐用年数が定められています。 中古などについても個別の耐用年数により計上するので、取得資産に応じて算出します。

固定資産税は地方税になるので、各自治体か国税庁のホームページに詳細な耐用年数が公開されているので、そちらを参照して帳簿処理をしていきます。

耐用年数は人によって捉え方が違うのではないかな?

減価償却費の仕分け方法

減価償却費の記帳方法は2種類になります。

直接法
直接法とは、固定資産全体から年度分ごとに減価償却費が直接引かれていく仕訳方法です。

資産の貸方項目に該当年分の固定資産名、借り方科目に該当年の減価償却費を記帳します。 借方貸方、年度分の同じ金額になります。 帳簿上は直接資産価値が償却されていくことなります。

この場合、固定資産の総額がわからないので、減価償却累計額を注記として表示しておく必要があります。 賃借対象費用には、固定資産の購入価格から該当年度分の減価償却費用が差し引かれた残額が固定資産の総額として記載されます。
間接法

間接法とは、固定資産の計上項目から直接額面を減らさずに、減価償却累計額という勘定項目を使って、帳簿上の固定資産の総額は維持したまま減価償却費用だけで加算していく計算方法です。 賃借対照表上の固定資産の額面は毎年同じですが、総額から毎年減価償却累計額の総額が差し引かれていくイメージになります。

会計の原則から、無形固定資産は直接法、有形固定資産には間接法を適用するのが一般的なようですが、基本的に間接法での適用が決算書上なども推奨されいているようです。
直接法でも間接法でも記帳法の違いだけで納税額は変わりません。

固定資産税の申告方法

固定資産税は地方税になるので、各自治体から送付される申請書で申告をします。 通知のみであればホームページからダウロードするか、申告書を請求します。
  • 固定資産税の申告に関する通知は、該当資産がない場合でも通知されるので、1月1日時点で固定資産を保有していた場合は、申告が必要になります。

固定資産がない場合は、申告および納税の必要はありませんが、償却資産(事業用資産)がない場合でも、償却資産申告書の「18番備考」欄に「該当資産なし」と記載して、申告書の提出は必須となります。

償却資産の申告通知は該当償却資産がない企業にも通知されます

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