2021.12.16 Thu 2022.05.22
事業復活支援金についてわかりやすく学習
事業復活支援金を簡単に解説
事業復活支援金とは、新型感染症による影響により事業の売上が減少した中小規模事業者や自営業者・個人事業者(フリーランスを含む)を対象に、新型感染症で生じた事業損失の影響を緩和させるために給付される国の給付金支援制度。 中小企業庁総務課の発表によれば、令和3年度補正予算として総額 2兆8,032億が計上されている。
- 月次支援金、一時支援金、持続化給付金の後継給付金に分類される事業者向けの支援金制度です
- 緊急時の支援金でもあるため、給付までの期間が早いのも特徴です
申請をし対象となるには条件がありますが、感染症下で収益が下がっている事業者は多いので、比較的に受給可能性が高めの給付金になります。
- 申請方法は月次支援金や一時支援金を受給しているかどうかでも手続き方法が異なる
申請をし対象となるには条件がありますが、感染症下で収益が下がっている事業者は多いので、比較的に受給可能性が高めの給付金になります。
事業復活支援金に関する各期間と日程
申請期間
- 2022年1月31日から6月17日まで延長
事前確認受付期間
- 2022年1月27日から6月14日まで延長
差額給付期間
- 2022年6月1日から6月30日締切
サポート期間
- 2022年2月1日から
事業復活支援金の概要
事業復活支援金については2021年11月ごろから一般に情報が開示され、順次情報が公開されている。
支援金の目的
- 新型感染症の影響で売り上げが減少している事業継続支援
飲食業や観光業などは、もともと消費税増税の影響が大きいところへさらに追い打ちをかけられることになります。
- 法人は上限最大250万円を給付
- 個人事業主は上限最大50万円を給付
中小企業庁からは概要が公表されていましたが、伝達されにくいPDFファイル形式での公開なので、こちらのページでもある程度紹介してみます。
事業復活支援金PDF資料 中小企業庁
個人事業を含め対象事業者が多いことがポイント
対象者と給付条件
- 新型感染症の拡大や長期化に伴う需要の減少又は供給の制約により大きな影 響を受け、自らの事業判断によらずに対象月の売上が基準月と比べて50%以上又は30%以 上50%未満減少している必要があります。
需要の減少による影響
- 国や地方自治体による、自社への休業・時短営業や イベント等の延期・中止その他の新型感染症対策の要請 に伴う、自らの財・サービスの個人消費の機会の減少
- 国や地方自治体による要請以外で、新型感染症禍を理由として 顧客・取引先が行う休業・時短営業やイベント等の延期・中止 に伴う、自らの財・サービスの個人消費の機会の減少
- 消費者の外出・移動の自粛や、新しい生活様式への移行 に伴う、自らの財・サービスの個人需要の減少
- 海外の都市封鎖その他の新型感染症関連規制 に伴う、自らの財・サービスの海外現地需要の減少
- 新型感染症関連の渡航制限等による 海外渡航客や訪日外国人旅行客の減少 に伴う、自らの財・サービスの個人消費機会の減少
- 顧客・取引先※が①~⑤のいずれかの影響を受けたこと に伴う、自らの財・サービスへの発注の減少 ※ 顧客・取引先には他社を介在した間接的な顧客・取引先を含む
供給の制約による影響
- 新型感染症禍を理由とした供給減少や流通制限 に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な財・サービスの調達難
- 国や地方自治体による休業・時短営業や イベント等の延期・中止その他の新型感染症対策の要請 に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な取引や商談機会の制約
- 国や地方自治体による 就業に関する新型感染症対策の要請 に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な就業者の就業制約
- 実際に事業収入が減少したわけではないにも関わらず、通常事業収入を得られない時期 (事業活動に季節性があるケース(例:夏場の海水浴場)における繁忙期や農産物 の出荷時期以外など)を対象月とすることにより、算定上の売上が減少している場合
- 売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により売上が減少している場合
- 要請等に基づかない自主的な休業や営業時間の短縮、商材の変更、法人成り又は事 業承継の直後などで単に営業日数が少ないこと等により売上が減少している場合 等
引用:事業復活支援金の概要について(PDF形式:1,328KB)
- 新型感染症の影響で2021年11月~2022年3月のいずれかの月間売上高が、対象基準年月(2018・2019・2020年の11月~3月)の同じ月の月間売上げと比較して50%以上または30%減少した事業者 (中堅・小中堅・小規模事業者・フリーランスを含む個人事業主)
法人企業だけでなく個人やフリーランスも対象
給付額と上限額
給付額は事業者区分や売上減少率により支給金額と上限が設定されています。 このあたりは持続化給付金と類似している点があります。
給付額
- 5ヶ月分(11月~3月)の売上高減少額を基準に算定し各事業者区分の上限額まで
上限額と事業者区分
最大250万円は年間売上5億円以上の中堅企業
給付額算出式
2021年12月25日に中小企業庁から給付額の算出式が正式に公表されました。
- 基準期間 2018年2019年2020年の各11月~3月から選択
- 対象期間 2021年11月~2022年3月
給付算出式
基準期間のうちのいずれか1ヵ月の売上を選び、対象期間の同じ月を比較して、基準期間で選んだ期間5ヵ月分の事業収入の合計売上から、対象月の月間売り上げの5倍を引いた金額になるのでかなり注意が必要。 基準月と対象月とは、ひとつめのフックのような設定で、比較期間の同月の売上が30%以上、または50%以上減少している場合という条件だけになり、給付金額とは単月では直接関係がないのでかなり注意する必要がある。- 給付額 = (基準期間の事業収入の合計) - (対象期間 同月月間売上 × 5)
- 例)2019年11月売上100万円:2021年11月売上40万円の場合は減少率の基準を満たすだけで、基準期間5ヵ月分の合計から、対象月の月間売上の5倍の金額を引いた残りが給付金となる。 基準月と対象月の差分を5倍した金額が給付金になるわけではないので要注意だ。
事業復活支援金では以下のような数式が公開されている。
- S = A - (B × 5)
非常に誤解を招きやすい制度設計になっており、単月比較での減少率の差分の5倍が給付額になるわけではないので注意が必要になる
基準期間は2018・2019・2020年の各11月から3月に決定
必要書類
中小法人
- 1.確定申告書
- 2.対象月の売上台帳等
- 3.履歴事項全部証明書
- 4.振込先の通帳
- 5.宣誓・同意書
- 6.基準月の売上台帳等▲
- 7.基準月の売上に係る通帳等▲
- 8.基準月の売上に係る1取引分の請求書・領収書等▲
▲は、※一時支援金・月次支援金の受給実績がなく、登録確認機関と継続支援関係がない方のみ
個人事業者等
- 1.確定申告書
- 2.対象月の売上台帳等
- 3.振込先の通帳
- 4.本人確認書類
- 5.宣誓・同意書
- 6.基準月の売上台帳等▲
- 7.基準月の売上に係る通帳等▲
- 8.基準月の売上に係る1取引分の請求書・領収書等▲
▲は、※一時支援金・月次支援金の受給実績がなく、登録確認機関と継続支援関係がない方のみ
- ※1上記は主な書類であり、特例を用いる場合など、別途必要書類がある場合があります。また、審査時に給付要件を満たさないおそれがある場合には、他の書類(例えば、事業を行っていることが分かる書類や、新型感染症影響の裏付けとなる書類など)の提出も求める可能性があります。
- ※2一時支援金・月次支援金の既受給者は、受給時の入力データを活用することができます。
- ※3事業において通帳等を全く用いていない場合など、合理的な理由により提出ができない場合に限り、理由書(様式を提示予定)を提出することで代替することができます。
提出確定申告書について
提出する確定申告書は選択する基準期間にかかわらず、2019年度、2020年度の確定申告書は必須。 基準期間を❶か❷を選んだ場合は、合計3枚の確定申告書が必要となる。 基準期間の❸を選択した法人(3~10月決算の法人)のみ、2019、2020年度の2枚の確定申告でOKとなる。
基準期間
- 2018.11-2019.3
- 2019.11-2020.3
- 2020.11-2021.3
持続化給付金と同様の書類が予定されている状況
申込方法と給付の流れ
申請方法
- 事業復活支援金事務局のWEBサイトから申請IDを発番し、登録確認機関による事前確認の後※、事業復活支援金事務局のWEBサイトから申請します。 ※一時支援金又は月次支援金の既受給者は改めて事前確認を受ける必要はありません。
- 事業復活支援金事務局が設置する予定のWEBページにてアカウント登録※ ※一時支援金又は月次支援金の既受給者は、作成済のアカウントを活用可能
- 申請に関わる基本情報を記載の上で、以下の必要書類を添付
- 申請ボタンを押下
申請前に、事前審査が必要となる見込み。一時給付金を受給している場合は事前審査が不要の予定。 持続化給付金と同じシステムが利用できるだけで、事務処理の負担はかなり軽減されることが予想されます。
オンライン申請以外もサポート予定
事前確認について
事業復活支援金の申請をするには、事前確認が必要になります。 一時支援金や月次給付金を受給している事業者は、事前確認は不要のようです。
- 不正受給や給付対象を誤って理解したまま申請してしまうことの対応として、申請希望者が、①事業を実施しているか、②給付対象等を正しく理解しているか等を事前に確認します。
- 具体的には、登録確認機関が、TV会議/対面により、書類の有無の確認や質疑応答による形式的な確認を行います(継続支援関係にある場合は、電話での確認も可)。
※登録確認機関は、当該確認を超えて、申請希望者が給付対象であるかの判断は行いません。また、事前確認の完了をもって、給付対象になるわけではありません。
事前確認の主な内容
- 「申請ID」、「電話番号」、「法人番号及び法人名(法人の場合)」、 「氏名及び生年月日(個人事業者等の場合)」の確認
- 「継続支援関係」の有無の確認
- 「実施方法」、「確認の種別(一部確認・全部確認)」、「事前確認の対価(報酬)」の確認
- 本人確認
- 「確定申告書の控え」、「帳簿書類」、「通帳」の有無※1の確認 ※1 書類が存在しない場合、その理由について確認
- ⑥ 「帳簿書類」及び「通帳」のサンプルチェック※2 ※2 基準月及び登録確認機関が任意に選んだ年月における取引の確認
- ⑦ 新型感染症の影響による売上減少について聴取及び該当項目の確認
- ⑧ 宣誓・同意事項等を正しく理解しているかについて口頭で確認
- ⑨ 登録確認機関が事前確認通知番号※3を発行 (発行後、申請者はマイページより申請可能に) ※3 事前確認通知番号は申請者が申請に用いることはありません
- 事前確認後に申請者マイページで必要事項の入力等を行い事務局申請
引用:事業復活支援金の概要について(PDF形式:1,328KB)
事業復活支援金は事前確認をしていないと申請ができない
お問合せ先
事業復活支援金事務局 ホームページ
URL:https://jigyou-fukkatsu.go.jp/
事業復活支援金事務局 相談窓口
申請者専用
- TEL:0120-789-140
- IP電話等からのお問い合わせ先:03-6834-7593(通話料がかかります)
登録確認機関専用
- TEL:0120-886-140
- IP電話等からのお問い合わせ先:03-4335-7475(通話料がかかります)
- ※いずれの相談窓口も受付時間は、8時30分~19時00分(土日、祝日含む全日対応) (最新の受付時間は、事業復活支援金事務局ホームページをご確認ください。)
- ※携帯電話からでもフリーダイヤルにお電話していただくことができます。
- ※お問い合わせの際は、電話番号をよくお確かめのうえ、お掛け間違いのないようにお願い申し上げます。
中小企業庁が窓口
事業復活支援金への考察
事業復活支援金という名称であるが、結果的に一時支援金や持続化給付金の後継支援金のようで、飲食関係や旅行観光業で支援を受けてきた事業者や登録確認機関との継続支援関係が必要など、小さな飲食店などに支援金が届くかどうかが微妙な制度設計になっているようです。また自粛要請などの直接的な事業だけでなく、関連する全ての事業が継続的に影響を受けているので、このような場合においては、業態や利害関係のある機関への忖度などは可能な限りない状態で申請をできる制度にするべきかもしれません。
給付金や助成金は事業者にとっては事業継続や事業拡大のきっかけにもなり、非常に大切な支援制度です。 特に、今回のような消費税等で景況感が閉塞停滞的な状況下での新型感染症の流行による緊急事態宣言などによる経済流通の抑制は、連鎖的な事業破産を創出する可能性が極めて高くもあります。また、これらの給付金は原則的にすべて事業に関わる事案に使用されますが、実質的には事業収益とは性質がことなるので注意が必要です。
給付金の有効的な投資計画は重要です
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