2022.04.12 Tue 2022.04.16
デジタルイラストで絵を描く方法をわかりやすく学習
デジタルイラストを描く為に必要なこと
今回は初めてデジタルイラストで絵を描こうと考えている方へ、どのような手順でどのような機器や環境、アプリケーションや費用が必要になるかを当社独自の視点で学習してみます。最近は2D(2次元の平面)イラストをわりと簡単にソフトを使用して3D(3次元立体化)モデリングが可能になっており、商業アニメーションなどの現場でも実際に使用されています。
とはいえ、いきなり2次元のイラストを3Dアニメーションにするのはハードルが高いので、まずは趣味で簡単なお絵描きをデジタル化してみたいという、初心者向けの視点でデジタルイラストを描くために必要な環境整備や推奨される機器類について調査してみました。
予備知識や先入観などのまったくない状態でのイラストを描くメソッドとなるので、わりとフラットな感覚で、できるだけわかりやすく簡単に解説していきます。デジタルイラストを描く優先目的を決める
デジタルイラストを描こうとした場合、まず必ず紹介されているのがタブレットの種類です。それぞれメリットとデメリットがありますが、今回はまずツールから判断するのでなく、本当にデジタルイラストを描ける環境を導入する必要性があるかというスタート地点から、目的や用途など、すこしだけ先の将来を想定して慎重に判断することが推奨されるでしょう。
デジタルイラストを描く目的とは
最初に検討していただきたい点は、- なぜデジタルイラストを描く必要があるのか
デジタルイラストで絵を描くための動機としては、大雑把にわけると仕事か趣味のどちらかになるのではないでしょうか。
仕事で絵を描く人
- イラストレーターやアニメーターなどを目指す人
- アナログで描いていた絵をデジタル化したい人
- デジタルイラストの編集が必要な事業者
趣味で絵を描く人
- デジタルイラストで絵を描いてみたい
- 趣味のひとつとして取り組んでみたい
- デジタルアートの一環として挑戦してみたい
ただ、業務としての取り組みの場合でも、単発で必要な場合や先々必要としない場合などは、外部発注や素材集などの利用のほうが推奨される場合があります。
なによりイラストで直接的な事業収益につなげることはほぼ困難なことなので、ランニングコストを必要な前提の事業投資としての取り組みには、さらに慎重な経営判断が必要になります。
ペンを使用してデジタルイラストを描く場合は、描画用のタブレットとペンが必須になるので、ある程度のスペースが必要となり、環境の選び方によっては数十万円ほどの初期費用が必要になる場合があります。
勢いで取り組んでは見たものの、わりとまとまった場所を取り費用もかかるので、段階的に取り組んでいくことが良い場合が多々ありますが、もともと本当に興味があったり好きな分野であれば、すでに環境を整えて取り組んでいる可能性も高いので、なぜ急にデジタルイラストで絵を描きたくなったのか、なぜ必要なのかを何度か自問した方がよいかもしれません。
まずはアナログでの取り組み
デジタルイラストといっても、従来紙などに描いていた直書きのイラストがデジタル化されるだけになるので、デジタル特有の優位性は高いものの、まだ迷いや検討の余地がある場合は、アナログのイラストを描くことに取り組んでみます。
事業としてのイラストはすぐにお仕事としての収益を前提にするとかなり高い障壁を認識できますし、趣味で挑戦したい場合は、一定期間中に定期的にたくさん描くことができるかどうかで、ある程度熱量を判断することができ、デジタル化の必要性などを冷静に見直すことができるかもしれません。紙とペンだけあれば絵を描くことは可能なので、まずはスケッチブック1冊描き切ってから、デジタルイラストで絵を描いてみたいかどうか、必要性が本当にあるかを判断する方法も良いかもしれません。
そのまま可能なデジタルイラストから挑戦してみる
パソコンやスマホアプリでは、標準でお絵描きソフトをいくつか利用することが可能なので、まずは、- どのようなイラストをどのような点数描きたいのか
PhotoshopやIllustratorなどのプロユースのアプリケーションでも無料お試し期間などもあり、それらのある程度費用がかかるプロユースと同じ程度の機能の無償アプリケーションもあります。
スマホアプリであればお絵描きソフトが無料でダウンロード可能なアプリもいくつかあるので、まずはご自身の環境のまま、しばらくデジタルイラストを描いてみて、さらにモチベーションや要望も高い場合に、本格的なデジタルイラスト用のタブレット導入を検討さてもよいでしょう。
どうして考慮する必要があるのか
さて、タブレット機器やソフト選択の前段階で、なぜこのように行動の動機付けを検討する必要があるかについて説明します。まず、仕事や業務でのデジタルイラスト導入は、参入障壁がきわめて高いことが挙げられます。イラストを事業や業務として成就させるためには、かなりの初期投資とランニングコストが必要となるため、安易に液晶タブレットを導入しても、数ヵ月で備品ロッカーの中に収納されてしまう可能性がきわめて高い点があります。
また趣味で取り組む場合でも、採算度外視で取り組んむほど好きでないと、継続することもむずかしくなるでしょう。特に絵を描くのが好きで、先々お小遣いを稼げるようになれればラッキー、と考えている場合には、なかなか続けることが難しくなっていくことが予想されます。
イラスト分野は美術大学や造形大学を卒業しても、職業として成立することが難しく、上手いイラストレーターがかなり存在しており、自己満足以外の目的が少しでもある場合は、やはり途中でやめてしまう可能性が高くなるでしょう。
イラスト自体が、最初に参入ハードルがとても高いという前提でいくつか条件や期間を設けて、それらをクリアして継続してどうしても挑戦したいと考えられるぐらいの熱量が必須である傾向が総体的に高いジャンルです。ましてや仕事や副業としてチャレンジするのは、競合率だけでなく、持続性も含めて相当好きでないと継続することが難しいので、デジタルイラストを描く優先目的をしっかりと認識する必要性があるため、序章としてわりと長い説明紹介となりました。
イラストを描くことが呼吸感覚で可能な人が適している
タブレット種別を学習して決める
ここでは、デジタルイラストで絵を描くための具体的に必要な機器やソフトを端的にまとめます。機器の導入までを検討されている場合は、前章の優先目的をしっかりと検討して判断された方のみを対象とするため、用途に応じた機器種別などについてのみ解説していきます。
タブレットの種類
まずデジタルイラストを本格作成するための機器としてペンタブレットが必要です。 ペンタブレットは主に以下の3種に分けられます。
液晶ペンタブレット
パソコン接続と電源が必須となり、液晶タブレットに直接専用ペンで絵を描いていくタイプです。大きさも複数ありメーカーや機種も年々増加しています。Wacomの液タブcintiqが有名ですが、XP-PenやHUIONなど手頃な価格で機能性も評価される競合メーカーもあり、2万円代から20万円以上と価格帯もひろく、アマチュア利用からプロユースまで幅広い需要があります。
iPad Proと比較されることが多いのですが、やはり専用デバイスということもあり、筆圧の滑らかさ表現や物理的な書きやすさなどでは、液晶タブレットが専用機器として需要がある利点がわかります。
描画用のイラストソフトがついている場合もありますが、お絵描き専用ソフトのCLIP STUDIO PAINT PROが有名で、液晶ペンタブレットは買い切りソフトが利用できるので、専門的にデジタルイラストに没頭したい人にはお薦めになるでしょう。
使用しないときは場所を取りますが、デュアルモニターとしてパソコンのサブモニター化も可能なようなので、イラスト制作時はタブレットとして使用し、通常のPC利用時はサブディスプレイとしても併用できます。
スマートフォン接続に対応しているタイプもありますが、スマートフォンだとやがて液晶画面の小さい点で使用する機会がなくなる傾向があるため、今回は主にパソコン接続使用前提で解説しています。
タブレットPC
もう一つの液晶タブレットとしては、タブレットPCが選択肢として選ばれます。主にiOSのiPadが紹介されることが多いようですが、Windows系ではSurfaceなどでもデジタルイラスト専用のタブレットとしての利用が可能です。 タブレットはタッチパネルディスプレイであるため、ペンタブなどで直接線を描画することが可能であるためデジタルイラスト制作の液晶タブレットとして使用されます。
ある程度の商業利用までも可能なイラストが作成可能ですが、タブレットとしての汎用性もあるため、用途面でのチョイスが最重要になります。
iPadとSurfaceのもっとも大きな違いは、iPadはiOSというスマートフォンと同じOSが採用されているのですが、SurfaceはWindowsOSが使用できるという点です。ChromebookのタブレットではAndroidOSが採用されています。
iPadが多く取り上げられているのは、イラストやグラフィック系のお仕事をしている人が、多くMac利用者であることも影響されているかもしれませんが、製品としてのApple社のプロダクト開発は、もともと品質や使いやすさが素晴らしい点があるでしょう。
また、充電の面で不評だった専用ペンはApplePencil2でマグネット本体装着の充電方式に改良され、iPad Proの第三世代での描画時の利便性や筆圧の滑らかさは十分に満足のできるようになっているようです。
タブレットPCの最大の利点は、パソコンが不要で持ち運びが簡単である点です。
どこでも絵が書きたいからと購入を検討する場合もあるようですが、やはりイラスト作成は長時間かかるため、机など固定された場所で、疲れにくい姿勢での創作となるため、持ち運んでイラストを描きたいというモチベーションは、わりと実証されにくいようです。
タブレットとしても機能するので、コンテンツ閲覧やメール・SNSチェックなどもタブレット1枚で完了します。価格帯は液晶ペンタブレットよりは相対的にやや高価になってしまいます。
さらに、大がかりなパソコン業務用途では使用しずらいため、用途汎用性は高い分、どっちつかずの機器になりかねない点も注意が必要なようです。
板型ペンタブレット
板型ペンタブレットは、わりと以前から普及したペン描画用のパソコンデバイスです。板型のタブレットに専用ペンで線を引き、パソコンの液晶画面で確認しながら創作するタイプです。
液タブがいまほど手頃でない時代には、安価に利用できるため使用されることが多かったようですが、絵を描くことの難易度が高く、実際のイラスト創作も液晶ペンタブレットと比べると不便な点も多いと紹介され、よほど慣れている方でないと最初に導入するのは非推奨とWebページで紹介されることが多い機器となるようです。ただ、弊社で実際に使用してみた機器では、かなり軽量で薄く、機能性や描画感度など、全体的にそれほど使いずらいとは感じませんでした。
もしかするとiPadがアフィリエイト商品として掲載されているメディアページが多かったので、そのような影響があるかもしれません。
板タブは機能性や使い勝手は液晶タブレットに比べれば低いものの、実際にデジタルイラストを試すという点においては、場所も取りにくく初期投資も抑えられ、ほどよい大きさと機能性などから、パソコンを持っていればトライアルではいちばん推奨されるペンタブレットになるでしょう。
ペンタブレット機種別よりも絵を描く熱量や上手さがが大切になる
イラストの描き方を学ぶ
さて、デジタルイラストの設備環境が決まったところで、イラストを描いてみたものの全然納得がいかない場合について、イラストの描き方自体を学ぶ必要がでてくる場合があります。イラストレーターの多くは独自の描画タッチを持っていて、そのイラストを描いたのが誰であるかがすぐわかる作家の方も多いはずです。
では、その独自タッチはどのように習得したのでしょうか。イラストスクールや講座受講、教本や教材利用、美術大学など専門的な教育機関で総括的な学習をした人などさまざまになるでしょう。
ただ、最終的には独学による習得が占める割合が大半ではないでしょうか。
教材やスクールでは要点や基礎知識を得るためには有効な手段ですが、独自のイラストタッチや筆圧などのトーンは、各自がそれぞれの特性にあわせて創出していったスタイルになると予測されます。
作家の方の大半は、一般人では考えられないくらい何度も何度も膨大な絵を描き続け、毎日少しずつ現在の自身のスタイルを創り上げたはずです。
線のタッチ一つにしても自分のこだわりや好みが納得するまで、いくつも試行錯誤を繰り返して、なんとか独自スタイルを確立してきたのではないでしょうか。ごくまれに、完成したタッチやスタイルをがらりと変更する作家がいますが、線1本1本の組み合わせに対する方向性や考えかた、技術的な要因からそれまで作り上げてきたスタイルを根本から大きくこだわりが変更する背景には、他の人にとっては気の遠くなるような試行錯誤をいくつも繰り返していることでしょう。
気の遠くなるような繰り返しは、教育機関だけでは時間的な制約があるため、独学による習得が必然的に軸となっていくのだと感じます。
結論として、イラストの描き方を学ぶには、どのような手法であれ、自分が一番効率的にイラストの描き方が楽しく上達する方法を見つけて、くわえて何度も何度も繰り返していくことが、もっとも大切な学習効果を得るために必要な方法になるでしょう。
そのうちに絵が上達していき、自分のスタイルやタッチが確立されて、オリジナリティ溢れる素敵なイラストが描けるようになるでしょう。
大切なことのひとつに、- 好きで楽しんでイラストを描ける環境
を整えられるかも大きく影響するでしょう。
また、好きな作家のイラストを何度も真似て描いてみることも、絵が上達するための訓練としては非常に役立つかもしれません。
とにかく息をするのと同じペースで絵を描けることが、適正の大きな要因になるでしょう。
描き方を学ぶために大切なことは楽しむこと
デジタルイラストの用途と考察
今回はデジタルイラストを描くための環境や機器の種類、描き方の学習方法や重要な考え方などについて、弊社独自の視点を交えて解説させていただきました。- デジタルイラストの作成でやはり最初に熟考すべきなのは、用途と目的、使用頻度が重要になります。
趣味で取り組む場合も、かなりゆるい趣味として始めるぐらいがちょうど良いかもしれませんが、趣味の延長線上にどのようなマイルストーンがあるかによってもモチベーションの持続はことなりますし、結果として目的や用途がないと、わりと上手く続けることが難しいでしょう。
デジタルイラストはすでにイラストレーター作家の多くが取り組んでおり、専門事業者や専門サービスも随分前から存在しています。すでに競合が高い上に、独自性が求められるため、デジタルイラストで絵を描くこと自体はかなり参入しやすいのですが、趣味以上の目的となってくると、かなりの参入障壁があるため、自分の適性なども客観的なアドバイスを含め理解しておくことが推奨されます。
多様な可能性があるデジタルイラストですが、しっかりとした目的用途があれば比較的継続しやすいですが、ある程度イラストが上手に描けて続けることができても、マネタイズできる可能性はかなり限定されていることを十分に理解して挑戦するのが良いでしょう。
迷いがある場合はまずは板タブからスタート
掲載情報につきましては当社が独自に調査、検証および収集した情報です。
情報の妥当性や確実性を一切保証するものでなく、情報や内容が訂正や修正、変更されている場合があります。 よって、当社サイトの利用により生じたいかなる損害等についても運営側にて一切の責任を負いません。
掲載情報の修正・変更等をご希望の場合はお知らせください。