2022.05.04 Wed
ゲーミングチェアとメッシュチェアの徹底比較
自分に最適なオフィスチェアを選ぶ大切さ
どうやら世界一の座位大国ニッポンでの成人の平均座位時間は、なんと1日(420分)7時間にもなるそうで、シドニー大学などオーストラリアの研究機関などが世界20ヵ国を調査した結果判明したそうです。確かに座るという習慣はかなり日本人的というか、生活文化や身体の構造からも座りながら何かをすることが多いので、異論の余地もない結果になるかもしれません。
今回は10年以上使用したメッシュチェアから新しいチェアの買い替えにどうしてゲーミングチェアとなったのかの経緯や合理的な理由と、業務用のオフィスチェアとしてのゲーミングチェアの優れた点やデメリットなども含めて詳しく解説します。たしかにデスクワーク中心の業務では、起きている間の大半の時間を椅子上で過ごしているので、必然的に椅子や腰をケアするための配慮に意識が向けられるのは当然のことかもしれません。
当社でも椅子の重要性や選択には重視しており、いろいろと独自調査を続けています。 特にオフィスチェアは、近年非常にニーズが高まり、機能性の高いデスクチェアがかなり手ごろに入手可能になっています。
それでも、選択を間違えると先々いろいろと支障がでてくるため、今回の記事では座り心地や腰への負担がすくない、ゲーミングチェアとオフィスチェアの良い点とそうでない点を比較しながら、あなたの体質に適した最適なお仕事用のチェアを選ぶための要点をまとめた記事で紹介させていただきます。結論からは2択でメッシュORゲームチェア
先に結論的内容になりますが、オフィスチェアとして推奨されるのは、ゲーミングチェアかメッシュタイプのオフィスチェアの2択となります。体質や身体の個人差はあるので必ずではないものの、長い座位時間で腰が痛くなり蒸れて臭いが気になるなど、いくつかの長時間座位から発生する問題回避が可能な側面から検討すると、この2つが最適な選択肢であることがわかりました。
さらに結論から言えば、
- デスクワークに最適なのはゲーミングチェア
あまりピンとこない人には不要な情報かもしれないので、通常のオフィスチェアでも問題ないかもしれませんが、背骨の形状や腰や股関節への負担などを考慮すると、ゲーミングチェアがもっとも最適であると当社では結論づけることができました。
ただ、ゲーミングチェアにも難点があるため、使用上での対策なども含め、詳しく解説させていただきます。
いちばん重要なのは腰、結果ゲーミングチェア
どうしてオフィスチェア比較が必要になったのか
今回の記事を著述するにあたって、大きなきっかけが2つありました。
- 慢性的な腰痛がありケア製品が必要になった
- 長年使用していたメッシュチェアが限界に達していた
すでに7年ぐらい目でキャスター箇所のプラスチック部品や圧縮シリンダが破損してしまい、キャスター移動はなんとか可能なものの、上下の降下調整はできなくなり金具で固定するなどして使い続けていました。 さらに圧縮シリンダの破損の影響で、かなりの異音が発生することになり困った状態も続きましたが、業務用のオイルを差したり金具で固定することで回避しました。
現行の型式のような圧縮シリンダをハンマーで叩いて緩ませることがかなりしにくい設計になっていたので、なんどか交換を検討しましたが、その度に頓挫しました。椅子自体の使用感やリクライニング機能は問題ないので、継続して使用してきました。 座面もメッシュタイプですが、長年の使用でもへたることはなく、いまだに短時間の座り心地にまったく支障はないのですが、長時間の使用には腰や股関節負担が増えてきたためか、ゲルクッションや別売りのランバーサポートなどで補強して継続使用していました。
メッシュチェアの最大利点の一つは、なんといっても通気性の良さ、汗をかかないことです。 ただ、構造を考えると中央に身体の重心が集まる構造で限りなく点に近いメッシュ面で何十キロという体重を支える構造になっていたので、上半身全体の体重が集約されやすく、負荷により体幹が中央に圧迫され分散されていないことに気づきます。 逆に言えば、長年使用していても重心負荷に関してさほど考えずに座ることができていたことになります。通常のオフィスチェアの座面は通気性が良くないものの、座った時の体重の負荷を完全な面で分散して支えていることになります。
腰痛の原因のひとつは股関節筋肉の血流障害といわれていますので、その点からも納得できる点が多いようでした。流石に買い替えの時期は過ぎていたこともあり、腰へのケアを考慮するとすぐに新たなオフィスチェアを購入することになりますが、悩んだのが通気性を優先する場合には、再度メッシュチェアを購入することになる点になりました。
もちろんHerman Millerのアーロンチェアなどの高いグレードの椅子も候補にしますが、やはりメッシュタイプの懸念点や価格自体が高額であるため、YEATION(イエーション) オフィスチェアというメーカーのメッシュチェアが最有力候補になりました。 ほかドイツ製のnoblechairs(ノーブルチェアーズ)のゲーミングチェアも評判やデザイン機能性などをもとに候補に挙がりますが、今回は業務時間や座位滞在率を考慮してオットマンがどうしても必要であったため、noblechairsはかなり身体全体のホールド感が魅力的ではありましたが選考外となりました。この時点でエルゴヒューマンは候補から除外されていました。長年愛用していましたが、金属製フレームの重量があり、どうしても馴染めなかった点もあります。
ただ、YEATION(イエーション) オフィスチェアの上位タイプは、機能性や形状、価格なども含め充分に希望に合致する製品でしたが、メッシュタイプゆえの懸念点(体幹を中心に圧迫する)があり、長時間のゲームプレイに適していると長年支持されている構造のゲーミングチェアが候補として比較対象になりました。通常のオフィスチェアでなく、ゲーミングチェアが候補になった理由は、体幹を完全な平面で分散して支えられる点と、自動車の座席形状を元にして設計されている点です。
車の運転をしたことがある方であれば、自動車の座席がいかに長時間の座位を考慮した設計になっているかをイメージできる方も多いのではないでしょうか。ゲーミングチェアというと、エルゴノミクス設計(人間工学)を元に開発されたAKRacingや類似製品で価格帯の安いGTRACINGが対象となりました。 そして、反発強度などを考慮するとファブリックではなく合成皮革のPUレザーが良いのですが、通気性の問題や経年での人工皮革の剥がれが懸念材料となり選考が難航することになります。
このように、双方の利点と不利益点が希望する要件に対して一長一短があったため、ゲーミングチェアとメッシュタイプのオフィスチェアを比較検討する必要性が生じてしまったわけです。腰痛の心配がなく、毎日長時間使用しないのであれば断然YEATION(イエーション) オフィスチェアでしたが、身体全体への負荷や体幹負荷の分散を考えるとゲーミングチェアが優勢になり、ゲーミングチェアも似たようなチェアが複数のメーカーから販売されているので、ゲーミングチェアのなかでも、さらに比較検討が必要になりました。
あらためて実感するオフィスチェアの重要性
ゲーミングチェアとオフィスチェアの比較検証
すでに前文が長くなり過ぎた感がありますが、ゲーミングチェアとオフィスチェア(メッシュ)の良い点とそうでない点を軸に、比較検証してみます。
優位点:ゲーミングチェア
- 身体全体を支えるサポート感は優れていて、長時間座位にもっとも適しているチェアタイプの一つ
- ヘッドレストやランバーサポート、オットマンなどの複数の体位総合サポートが標準で装備されている製品が多い
- ブランド名にこだわらなければ、わりと手頃な価格帯で良い製品を入手することが可能
- 全体の素材が軽量化されており、移動や組み立てがかなり楽になる
優位点:オフィスチェア(メッシュ)
- 通気性に断然優れていて、座部や背部で汗をかかない
- 強度のある弾力性の高いメッシュのため、座り心地がよく尻や背中などは痛くなりにくい
- メッシュなので剥がれたりすることがない
不利益点:ゲーミングチェア
- 座面と背中の通気性が良くないので熱がたまりやすく汗をかきやすい
- 見た目がやや大袈裟で独特のフォルムの製品が多い
- 種類が多いので選択が難しい場合がある
- PUレザーが経年でボロボロに剥がれ落ちる
不利益点:オフィスチェア(メッシュ)
- 通気性が良いので気温が低い時は寒い
- メッシュを両方に引っ張っているので重心が中央に集まりやすい
価格面ではややゲーミングチェアのほうが手ごろで品数は多い傾向があるようです。 結局は、何を一番優先するかで決める必要がありますが、バランス的に一番利用者に適したタイプを選ぶことが推奨されるでしょう。
通気性か腰痛対策で比較すると選びやすい
ゲーミングチェアの比較検討
- 結果としてゲーミングチェアを選ぶことにしました。
ゲーミングチェアも複数あり、評価も価格もさまざまでした。
懸念点は通気性と人工皮革に対してのみでしたので、ゲーミングチェアを決定したあとは、3点ほどのゲーミングチェアに絞り込めました。
ヘッドレストとランバーサポート、オットマンはどれも付属していたので、あとは座面の高さと通気性の対処、色味などのデザイン的な要素で検討することになりました。
- 候補1:Dowinxゲーミングチェア/色:アイボリー
- 候補2:PAXTON ゲーミングチェア/色:白(オフホワイト)
- 候補3:GTRACING ACE ゲーミングチェア / CHAMPAGNE(メインは黒)
最終的にこの3つになったのですが、座面の高さ調整はできるだけ低い位置まで調整できるタイプが希望だったのでPAXTONが有力でした。ただ背中がメッシュタイプということで、背面のホールド感への懸念と座面の通気性があまり良くなさそうなタイプであったため、GTRACINGとDowixで悩むことになりました。
座面の通気性に関してはゲルクッションを併用することである程度回避できると想定しており、両方のチェアの通気性対策として、Dowinxはキルティング加工、GTRACINGはパンチングレザーという小さな穴の開いた合成皮革配慮した構造になっていたので、さらに悩むことになります。
3つの椅子はともに魅力的でしたが、ただ今回は白いべ―スの椅子が希望であったこともあり結果としてDowinxを購入することになりました。ゲーミングチェアの比較検討要素としては、いくつか要件が決まっていたので比較的絞り込みまでは早かったのですが、最終的に絞り込んだチェアの中から選んだのは、デザイン機能面と色味が決定要因となりました。
機能面で同程度の場合、最終的にはデザインが優先される
ゲーミングチェアの使用感とカスタマイズ
今回は13年以上愛用したメッシュチェアからゲーミングチェアに買い替えることになりましたが、しばらく使用しての腰の状態を考慮すると、結果的に最善の選択であったと実感できる結果になりました。
まず、ホールド感がしっかりしていて、メッシュチェアでは感じることがなかった身体全体を包み込むような安定感があります。
体幹を支えるのも、身体の形状にあわせて支えてくれるので、腰や股関節への負担もだいぶ軽減されているように感じました。
またランバーサポートにバイブレーション機能がついていたのですが、予想よりも使い心地はよく、ちょっとした気分転換にはちょうどいい感じでした。
ヘッドレストのクッションは場所が低く首の骨に負担があったので、標準で空洞部に止められていたフックを取り外して、ヘッドレストの上部で止め直すことでベストな位置になり、頭の重さを丁度支えてくれるので、首や肩の負担はかなり軽くなりました。
オットマンも丁度よい位置にあるので、休憩中は背面を倒してかなり快適な姿勢で安息することができます。脚の長い人だとちょっと位置が微妙になるかもしれません。
- トータルで満足度はかなり高く、業務用としての評価もかなり良い印象です。
懸念としては、
- 耐用年数を考慮すると5年も持たないかも
ただ、価格帯も手頃で、圧縮シリンダなども交換しやすいので、万一破損しても修理や買い替えなどについても、それほど負担なく対応できそうです。
今回選んだDowinxチェアはアームレストが固定タイプで不安な点もありましたが(同じデザイン色でアームレストが動くタイプもある)、結果として腕の位置を固定できることもあり、それほど気にならず同じ腕の位置で業務を続けることで逆に姿勢がある程度正しく保ちやすくなったかもしれません。長時間キーボードやマウス操作をしていると、どうしても肘や手首への負担もかかり、首痛や肩こりにもつながるので、アームレスト用にひじ置きクッション(アームレスト用クッション)を利用することで、これらの腕全体にかかる負担もかなり軽減することができます。
チェアカスタマイズ
ただ、このまま使用するにはいくつか不都合があるので、オフィスチェアを利用するうえであらかじめ可能な備品を準備しました。
キャスター交換
360度回転で静音移動が可能な別売りのキャスターを購入しました。
Dowinx専用のキャスターが販売されていたので、2千円ちょっとしましたが別途購入して取り付けました。
結果としては標準キャスターの移動しにくさや標準のキャスター音が解消されて、オフィス使用を前提であっても、とても満足度が高いカスタマイズとなりました。
ただ、360度回転式のキャスターは標準キャスターに比べて3cmほど座面が高くなるので注意が必要です。
ゲルクッション
- これはもともと使用していたのですが、腰周辺の負担を軽減し、通気性もよいため、そのままゲーミングチェアでも使用することにしました。
ちなみにゲーミングチェアは座面が縦長になっているので、通常のゲルクッションだと大腿部の下から膝上ぐらいまではカバーできませんが、特に座り心地が良くないということはなかったです。
ただ、ゲーミングチェアは座面サイドもせりが盛り上がっているため、ゲルクッション1枚だと左右のせりのホールド感が平面になり喪失してしまうため、横に二枚ならべて使用することで左右のホールド感を有効化したまま座る事ができます。
また、ゲルクッション分座面がどうしても数センチ高くなります。
フットレスト
Dowinxはもともと座面が一番低くしても高めになっているため、女性や小柄な人の場合はふくらはぎの血流に影響する懸念があります。
今回は専用キャスターとゲルクッションで4~5センチほど高くなってしまっているので、日本人男性の平均的な身長のかたでもフットレストが推奨されます。
ただ、市販のフットレストは面積が狭く角度がついているタイプが多かったため、厚手のヨガマットなどを折りたたんでオリジナルのフットレストで座面の高さをカバーしました。結果的に平面で広めのフットレストのため安定感が高く、冬場はパネルヒーターを設置したりする場合にも最適な状態で使用することができます。
ふくらはぎは血流のためにも重要な部位でもあるため、腿から膝下の血流の支障になるような座面の高さの場合は早期に改善しておいた方がよいでしょう。
脚がつりやすい人であれば、特に注意が必要です。
アームレストクッション
ひじ置き専用クッションで、アームレストにマジックテープで取り付けるアタッチメント式の補助具の一種です。
アームレストの高さが調整できないタイプやアームレストと肘と接する面が固くて痛みを感じる場合があるときには、最適なクッションです。
上腕や手首の負担が軽くなるため、長時間キータイプする業務が必要であれば推奨の補助具です。
ただ快適に長い座位時間が維持できるようになると、休憩などを挟みにくくなるため、今度は別の負荷が目や首にかかりやすくなるため別の身体ケアが必要になるでしょう。
通気性を改善できればゲーミングチェアが仕事用に最適
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