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2020.01.29 Wed

わかりやすい初めての法人決算 第三回は決算報告書作成

Webハック

わかりやすい初めての法人決算 第三回は決算報告書作成

会計ソフト任せの基本は青色申告系

法人決算といっても、合同会社でシンプルな事業形態の場合であれば、株式会社や大規模事業などのような煩雑な書類や手続きは限りなく抑えることができます。

帳票整理が終えたら会計ソフトに対象期間の入力して、損益計算書と賃借対照表を出力する決算処理を行うだけです。青色申告をしていたことがある人であれば、書類はことなりますが基本的な流れは同じです。

ただしい計算書で出力されたデータをもとに、決算申告に必要な各種書類に入力して、申告・納税するだけです。 今回は法人決算に必要な決算報告書の作成についてです。なぜか難解になってしまう説明になるのですが、できるだけわかりやすく解説していきます。

総勘定元帳と仕訳帳のツートップの正体

決算報告書類を作成するときに、ベースとなる書類として登場するのが”総勘定元帳”と”仕訳帳”というわかりずらい説明の書類です。 この二つなんてことはない、会計ソフトに経理入力していくと自然に作成されるものです。 (便宜上、当社では決算報告書は決算申告をするために必要な書類、決算申告書とは自治体から送付されてくる書類全般を指しています。)

仕訳とか勘定科目がわからないというひとは、最低限経理の仕組みを知っておく必要があるかもしれません。 とりあえず決算書類を作成するためのベースとなる書類で、帳簿入力を完了すれば自然にできあがるデータ、ぐらいに捉えておくとよいでしょう。

  • 仕訳帳

これは取引入力一回一回をまとめた書類です。会計ソフトであれば資産が動いたときに帳簿をつけますが、いわゆる貸方と借り方を決めて帳簿入力した内容をまとめた書類。これをみると毎日の細かいお金の流れと種類、売上や経費が細かくわかります。 帳票を会計ソフトにすべて入力すれば自動で完成します。

  • 総勘定元帳

こちらは、例えば”売上”とか”通信費”とか勘定科目がありますが、仕訳帳をもとに勘定科目ごとにわけてそれぞれのお金の動きをまとめた書類です。勘定科目というカテゴリー別にそれぞれのお金の動きが個別わかる書類です。 たとえば年間を通して”売掛金”が何度仕訳されているかを一目瞭然にわかるようにした書類で、こちらも会計ソフトで日々の仕分けをしていくと、決算処理の操作をしたときに自動で作成されます。

上記2つの帳簿を”主要簿”といい、この2つの帳簿を軸にした売掛帳や現金出納帳のようなその他の帳簿を”補助簿”といいます

むかしはこれらを手作業で行っていたとおもうと、蕁麻疹がでそうな書類ですが、いまや経理ソフトが自動的にたいていの経理書類を自動作成してくれます。 プログラムシステムのデータベースリレーション、という概念が使用されると仕訳帳からいろいろな書類が瞬時に自動作成できるのですが、経理ソフトは代表的なアプリケーションの一つと言えます。

ベースとなる2トップ書類は会計ソフトで自動生成

合同会社決算に必要な書類

いよいよ法人決算において必要な書類を用意します。株式会社に比べて合同会社は必要な書類は限定的です。 結論から言えば、合同会社の決算に必要な書類は基本的に以下の4点ほどになります。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 社員資本等変動計算書
  • 個別注記表
厳密には必要な書類は多数ありますが、確定申告に必要な決算報告書(決算書)とは所定の法人税等の申告書以外に必要な書類のことで、事業者が自身で用意する書類になります。

賃借対照表や損益計算書は経理の知識や青色申告をした方であればご存じの方も多いでしょうが、基本的には期中の帳簿入力を完了すれば会計ソフトが自動的に作成してくれます。

あくまで合同会社で非課税事業者が前提となりますので、業態や事業規模、資産や取引状況によりことなりますのでご注意ください。
  • 貸借対照表

企業の会計期末の財務状況をわかるようにまとめた表組です。企業の決算期の資産状況が一目でわかります。BS、バランスシートとも呼ばれます。

  • 損益計算書

企業の会計期末の業績状況がわかるようにまとめた表組です。企業の決算期の事業の状況、売上やかかる経費が一目でわかります。PL、ピーエル(Profit and Loss statement)とも呼ばれます。

  • 社員資本等変動計算書

株式会社でいうところの”株主資本変動計算書”で、「株主」にあたる箇所が合同会社では「社員」に置き換えられ、企業の資本金等の動きをまとめた書類となります。主に資本金資産について記載されます。 会計ソフトでは株式会社用で用意されたもので出力して「株式」の部分を「社員」と社印を押して訂正するか、合同会社用の書式ひな形自作して数値を入力して出力します。 期首と期末の資産の増減があれば必須の決算書類です。

  • 個別注記表

貸借対照表や損益計算書等などの財務諸表に関して、補足的な情報を注記した義務付けされた書類になります。基本的には会計ソフトに用意されていたりネット上でひな形が配布されているので、法人の種別により必要注意事項を記載編集する形式的な書面といってもいいでしょう。合同会社は株式会社と比べても必要項目が少ないです。 上記、3書類に対しての補足説明的書類で、義務付けされているものの必須ではなないようですが、知識獲得の一環としても作成しておきましょう。

おおむね、会計ソフトに正しく入力されていれば、決算処理機能を使うことで決算報告書は作成されました。

ネットやパソコンが普及するまでは手作業でこれらのことをやらされいたと考えると、すこし気が遠くなりますね。

ある程度なれると数時間で作成可能です。会計ソフトすごい。

赤裸々な企業の財務状況が判明する賃借対照表

決算期間の帳簿入力が完了すると、賃借対照表が会計ソフトでは自動作成されます。 賃借対照表で明確になるのは、企業の資産の状態です。現金がいくらあって、借金がいくらあって、そのほかどんな資産を持っているのかをとりあえず、わかりやすくまとめてくれます。 あくまでも、決算対象の期間の状況なので、年度の財産状況を整理した書類になります。

会計ソフトでは自動で資産の勘定科目別に出力しているので、ここではおかしな数字がないかチェックします。 預り金や未払金などの処理がされていなかったりすると、結構調べるのは骨が折れ、入出金処理が必要になる場合もあるので注意しましょう。

賃借対照表では帳簿入力の処理ミスを確認できることもある。

損益計算書は企業の成績表

企業の売上や損失をまとめた書類が損益計算書です。

ニュースや新聞などで見かけることが多い”今期の営業利益を大幅修正”なんていうのは、損益計算書に記載される内容で、企業がどれだけ儲けがあったのか、一目でわかる書類です。 とはいえ、一説には6割以上の企業が利益がでていない状況で損益計算書は提出されるということですが、法人の場合はいろいろな経費計上が可能な仕訳内容が存在し、大きな金額もさまざまな方法で損金捻出ができるため、会社法制度に沿って大企業から中小零細企業まで節税のための税務対策も行われているのが実情です。

企業自体が特別な動産・不動産などを所有しないかぎり、経常利益も営業利益も純利益も同じになります。

会社で有価証券や利息が付くような本営業活動以外の売り上げや損金が出る場合のみ、営業利益や経常利益などが変動していきますが、営業利益と営業外収益の区分は、会社が登記簿に記載した事業内容に該当するか、それ以外かが基準となります。

営業利益は本業の損益、経常利益は本業以外の損益計算です。

法人決算報告書の自社作成についてまとめ

結局のところ、会計ソフトの勘定項目がどれだけシンプルに入力されているかによって決算書類の確認の負担は変わりますが、処理自体は会計ソフトが行うので、ほとんどが自動処理で作成されると考えてもいいでしょう。 決算書類はあくまでも税務署などへの申告書に添付する書類なので、各申告先への申告書ではないので注意しましょう。

決算期間の累計も確認できるし、使用していた会計ソフトでは同時に出力される勘定科目内訳明細書で販管費の科目ごとの支出なども見れるので、不自然な金額のふくらみがあるとすぐに税務署の注意関心を引くこともありますし、企業的にはどのようなことにどのぐらいの割合で資金が発生しているかもまとめて知ることができるので、次期の事業計画の統計情報として参照するにも、とても価値の高いデータとも言えます。

会計ソフトでは科目別や月別でグラフ表示できるので、年間を通しての事業施策の目安とすることも可能です。
なによりも税制度を専門家任せにしておくことは、ある意味リスクでもあるので、法人税の仕組みがどのようになっているのかを知る意味でも、自社で法人決算の業務処理を行っておくと後々役に立つことが多いはずです。

対象期間の経理データの入力と決算申請書の作成が完了すれば、法人決算の半分ぐらいの内容は完了したといってもよいでしょう。

決算手続きは事業がシンプルで小規模なうちは自社で対応が推奨です

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