2020.02.20 Thu 2024.03.07
わかりやすい初めての法人決算 第五回は法人税申告書の作成方法学習
実際に行った法人税申告書の作成手順
当社で実際に行った法人税申告書の作り方を公開します。 あくまでも業態や決算内容によって必要書類や手順などは異なりますので、あくまでもおおまかな決算申告書を作成するまでの流れがどんなものかを理解するための情報記事であると捉えてもらえればよいかもしれないです。
ツールの使い方や申告書の項目や計算式など、細部は省略して全体の流れを俯瞰できるようなイメージの記事になります。領収書類の整理
帳票の整理と記帳です。 某クラウド会計ソフトを使用しました。 経理内容がきわめてシンプルなため、毎月クラウドサービスに入力していましたので、決算処理時も少しの修正で済みました。参考までに当社での主な取引内容の分類は以下です。 領収書類は雑費や備品など以外はほとんどWeb発行のものが多かったです
- 売上計上と口座振替
- 給与支払い
- 税金支払い
- 経費支払い
- 外注支払い
期末までの帳票入力がすべて終われば、クラウド会計ソフトの決算処理ボタンを押せば決算報告に必要な書類が自動作成されます。
会計ソフトは月に2~3回使って帳票整理しておくと決算時に負担が軽いです
決算報告書の作成
こちらは某クラウド会計ソフトに作成してもらいます。具体的には以下の4つの報告書が必要との記載が多かったので、とりあえず以下4点を出力しました。 クラウド会計ソフトでは「社員資本等変動計算書」に対応していなかったので、印刷後に株主資本等変動計算書の株主箇所を社員と訂正して作成しました。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 社員資本等変動計算書
- 個別注記表
むかしは手作業でこれをやっていたのを考えると、なんか冷や汗がでます。
決算報告書は毎月の帳票入力と会計ソフトで瞬殺
決算申告書の作成
こちらは書籍を購入して手順に従って、連動する決算申告書作成ができるExcelアプリに損益計算書等の報告書の数値を入力していきました。 計算式や説明も多いので、必要な箇所のみ抑えて必要な書類に必要な情報を入力します。基本的に必要な書類は以下のみで、込み入った経理処理はないので今回は以下の構成で作成しました。 提出先は税務署、都道府県税事務所、市役所の3か所。
税務署に提出する書類
- 別表一(一)各事業年度の所得に係る申告書
- 別表一(一)次葉 各事業年度の所得に係る申告書
- 別表二 同族会社等の判定に関する明細書
- 別表四 所得の金額の計算に関する明細書(簡易様式)
- 別表五(一) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書
- 別表五(二) 租税公課の納付状況に関する明細書
- 必要があればそのほかの書類
都道府県税事務所へ提出する書類
- 第六号様式 法人道府県民税・法人事業税・地方法人特別税の申告書
市役所へ提出する書類
- 第二十号様式 法人市町村民税の申告書
一連の申告書は連動しているので、各所への提出書類は同時に作成します。 ちなみに購入した書籍は新書で税込み2千円ぐらいで、税務の知識もいろいろと知ることができるので超おすすめです。
- 均等割の計算は月数によって計算されます。 よく赤字でも最低7万円の納税が必要と説明している記事が多いのですが、正確には”次年度より”で、大抵は月初を創業日とすることも少ないため、創業初年は決算期までの月数(日割りは発生しない)での計算になるようです。
- 極端な話、2日に創業とすれば均等割りは6千円ぐらい安くなり、社会保険料も1ヵ月分先延ばし削減可能です。
微小な金額ですが、いろいろ累積すると大きな金額になりますので、ひとつひとつ事前に知っておくとよいですね。 赤字決算法人の合同会社の場合は、かなりコンパクトにまとまりますので、慣れると1時間程度で作成できるのではないでしょうか。
申告書はデフォルトはソフト使用で秒殺
各所へ申請
基本は郵送で行い受取確認の書類は不要にし、写真撮影とデジタルデータ保存で対処しました。 以外とこの役所系の控え書類は数が多く、保存や管理にムダなコストが多大にかかります。まだまだアナログ体質は健在です。 銀行や政策公庫などから借り入れをする場合は控えが必要なので、返信用封筒を同封して控えは返信してもらいます。 借入金は損金(経費)扱いできないので、当社では不要と判断しています。申告書が届いたのは都道府県税事務所だけで、税務署も市役所も申告書の送付などはありませんでしたが、ホームページ上に納付書などがアップされていただので、印刷して納付を行いました。
訂正や修正があれば各所から連絡がくれば、それは後日別の記事情報で開示できればと考えています。 赤字決算のため住民税のみになりますが会社資産がない場合は代表者の役員借入金になるので(実質的に代表者の持ち出し)、日ごろから会社の内部留保をしておくことが望ましいようです。大きく分けると、3つの工程で企業の決算申告は完了します。基本的には大半が自動処理できるので、多少負担にはなりますがシステム化してしまえば毎年の対応負担はだいぶ軽減されます。 そもそも人が行っていることなので、ほとんどすべて自動システム化できるはずではないかと、感じることが多かったです。
決算申告はひとまず完了。これで事業に集中できて幸せに
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