2021.07.06 Tue 2021.12.17
わかりやすい小規模企業共済-事業者退職金での節税対策
小規模企業共済をわかりやすく
会計士より以前から説明を受けていた小規模企業共済。 前回は経営セーフティ共済について記事にしましたが、早急に検討した方がよいと考え、小規模企業共済について取り上げます。小規模企業共済は経営セーフティ共済と同じく経費処理が可能な積立型保険ですが、制度自体の性質はまったく異なります。 事業者や経営者が事業廃業や退職時の生活資金などを目的として積み立てる「小規模企業共済制度」は、事業者の所得から加入する退職金制度といえるでしょう。 経済産業省の下部組織で中小企業庁管轄下の制度です。
- 事業者向けの任意退職金制度なので、中小企業の役員か個人事業者のみが対象となり法人格は加入ができません。
- 加入手続きには必要書類(公的書類等)、法人役員の場合は履歴事項全部証明書、個人事業の場合は確定申告書等が必要。
小規模企業共済は国が節税対策として勧めている制度です
こんなところがメリット
小規模企業共済のメリットをわかりやすく説明します。すべて当社判断のメリットですが、主に以下のようになります。
- 掛け金が全額所得控除
- 年間84万円まで所得控除と節税が可能
- 掛け金を担保に一時借り入れも可能
- 3年以上の加入(任意解約除く)で元本以上の戻り金が期待できる
- 1,000円~7万円まで毎月の掛け金を設定可能(500円単位で増減)
- 所得状況により減額や増額が可能
共済金は退職所得となり、退職金または年金として分割受け取りを選択すると公的年金として分離課税が適用されてほぼ無課税という税制上の優遇が受けられる。 遺族年金などを除き、公的年金も基本的に課税対象となっているのは特筆すべき点かもしれません。
貸付制度も充実しており、掛金の納付期間からの貸付限度額の範囲内で、用途や事由によって事業資金等を借り入れることが可能です。
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貸付金制度について-小規模企業共済
独立行政法人 中小企業基盤整備機構の小規模企業共済の貸付制度の案内です。 掛金の納付期間に応じた貸付限度額の範囲内で、事業資金等を借り入れることが可能。
小規模企業共済は事業者用の節税退職金制度です
デメリットはあるのか
小規模企業共済についてのデメリットについては、主に以下のような点が挙がられることが多いようです。
- 解約理由によって解約時の戻り金が異なる
- 原則20年間の契約が前提
- 加入期間が20年以内の任意解約は戻り金が減額される
- 12ヵ月以下で解約すると返戻金は0になる
- 解約時には利益(雑所得)計上が必要
- 納税の繰り延べになる場合がある
20年以内の解約または解約の理由によっても元本割れのパーセンテージもことなるので注意が必要ですが、65歳以上で15年以上の加入で共済金を受け取る場合などは、共済金が減額されないまま受け取ることも可能です。ただ、特別な理由がない途中解約の場合は任意解約となり、受取共済金は掛け金を下回ります。 途中解約よりも掛け金を調整するなどして継続した方がメリットが多いようです。
解約時の返戻金はすべて雑所得となり、退職金または年金方式で受け取ることが可能です。実質所得税の繰り延べとなりますが、年次でリセットされる税申告制度から逆算すれば所得をスライドできる制度なので、かなり積極的な魅力があるといえるでしょう。
任意解約以外にはデメリットはほぼない
小規模企業共済の概要
ここでは小規模企業共済のおおよその内容についてまとめました。
- 中小企業経営者、個人事業主が任意ですぐに加入可能
- 掛金月額は1,000円から7万円までの範囲(5,000 円単位)で自由に選択可
- 掛金月額は全額一括前納可能
- 基本契約240ヵ月継続で元金全額保証
- 公的年金を1680万円以上確保可能
- 事業者の状況により一時借り入れや掛け金の変更等が可能
おおよそ以上のようになりますが、かなりメリットが多いですね。利用する事業者も多く、中小企業はもちろん、個人事業者などをぜひ加入しておきたい制度です。
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小規模企業共済
独立行政法人 中小企業基盤整備機構の小規模企業共済の案内です。 「加入をご検討の方」を掲載しています。取引先の倒産時に貸付けが受けられる「経営セーフティ共済」。
積極的かつ魅力的なメリットが多い制度
結論として
概要を調べただけでも魅力的なメリットが多い小規模企業共済。 所得税の節税をしながら退職金を貯蓄できるので、見方を変えれば可処分所得をストックしていくことになります。有価証券などの投資に回してた方がよいというような見方もありますが、投資の場合は増え続ければいいですが目減りする可能性も高いため、税率や節税分の利益確保が難しい資産運用投資などよりは、見方によってはかなり低リスク節税投資ともいえるかもしれません。
もちろん事業規模や売上、所得税額などによってはほとんどメリットがない点もありますが、余剰所得があるなら万一の時に備えてMAX7万円で契約していても、なんら困ることはないでしょう。当社では経営セーフティ共済と並んでぜひ推奨したい企業支援制度です
利用方法によってはかなり利点がある小規模企業共済
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