2021.10.27 Wed
小規模事業者持続化補助金を簡単にわかりやすく
小規模事業者持続化補助金を簡単に解説
ホームページ制作などにも利用可能な公的な補助金、助成制度には、主にIT導入補助金と小規模事業者持続化補助金が代表的です。 今回は小規模事業者持続化補助金について簡単にできるだけわかりやすく解説してみます。- 小規模事業者持続化補助金とは日本商工会議所と全国商工会連合会が窓口となり、公的資金を原資にした助成金制度
一般的な事業形態の中小企業や個人であれば、ほぼすべてが対象となり、一般型と低感染リスク型ビジネス枠の2タイプが現状対応しています。 上限額は50万円までとなっていますが、事業運営での販売管理費に該当するような支出は、ほとんど対象になりやすいのでスタートアップ企業などにも適している制度です。
ちなみにIT導入補助金は2021年度は通常のホームページは対象外となり、ECサイトや予約機能など、販促活動を促進可能な機能付属が必須となっているようです。補助金の概要
小規模事業者持続化補助金は現状2タイプの類型があり、補助金上限や補助率が異なります。
<一般型>
<低感染リスク型ビジネス枠>
審査はすべて管轄の商工会議所で行うようですが、商工会議所に加入していなくても申請は可能です。 商工会議所については非営利団体ですが、加入には入会金3000円や年会費(商工会議所による)などの固定費が必要となります。経営相談や資金調達などの相談が可能なようです。
- 令和元年補正予算により2020年度3月から開始した補助金制度
※<低感染リスク型ビジネス枠>は令和2年度第3次補正予算
申請は事業計画書をはじめ、業態や対象経費により提出書類などがことなります。 制度概要についての詳細は、各窓口公式ページにて確認できます。
申請から受取までの係る事務手続きハードルが高い印象
補助金制度への考察
小規模事業者持続化補助金の制度自体は是非とも有効活用したいものですが、実際のところ申請の手続きがやや煩雑なのと、採択(補助金の支給決定)までは2ヵ月前後は必要となります。
補助事業が完了した時点で支出した経費に関する領収書などの実績報告書の提出が必要となります。
- 金額によっては係る手間の方が負担になる場合があるので、補助金の上限額を考慮すると小規模事業者がコアとなる助成制度になりそうです
また、固定費は2年目以降の補助金が受け取れないため、継続的な契約料が発生する補助事業は注意が必要なようです。
ということで、直近の販管費用の資金調達として申請する場合にはまったく向いていないので、もともと必要な販管費用について数ヵ月後に補填される制度という前提での利用想定が適しているようです。補助金は少なくとも10万円以上(総額15万円以上)の補助事業発注でないと、手間代のほうがかかってしまうかもしれませんし、万一採択後に一部の金額が認定されなかったりした場合には、まるまる支出となるので補助金メインでの業務発注はリスクが高いかもしれません。
さらに、申請して採択されてから初めて助成対象となるので、採択前に使ってしまった費用などは原則対象とならないという前提で考えておいた方が無難でしょう。
用途としては、- 販路拡大のための急ぎではない事業支出費用を補助金で補填できるかもしれない
という前提での利用が最適なようです。
低感染リスク型ビジネス枠の場合は、
- 事業形態を期間をかけてオンライン型(非対面)に移行していきたい
どれだけ早くても申請から2ヵ月以上は確実にかかりそうなので、還付金のような位置づけて利用することが最適でしょう。 急ぎでの事業投資には全く向いていない補助金制度になります。
中長期視野で必要な事業支出に対して有効な還付金的な補助金制度
小規模事業者持続化補助金の結論
適用範囲も対象事業者も広く、枠種によりますが2021年度は補助率2/3~3/4、補助金上限が50~100と小規模事業者の販路拡大のための助成制度としてはかなり有効な助成金制度であるといえるでしょう。ただし、申請から採択までが2ヵ月前後の期間が必要で、採択されてから初めて発注や契約が可能になることと、実績報告などの複数の手続きと数ヵ月以上の期間を経てから助成金がやっと支給される仕組みのため、期間的にかなり猶予がある事業計画でないと有効活用が極めて難しい印象です。
当社としては定期契約系のクラウドサービスはすでに導入しており、販管費の予算などは補助金が確定的でないと基本的にすでに契約や発注が済んでいるため、あらためて無理に販管費を拡大するリスクの方が高いので制度自体の利用価値を見出すのはほとんど難しい印象です。また、顧客などに小規模事業者持続化補助金の利用を前提とした制作系事業の受発注の斡旋も、補助金前提の場合は発注決定まで2~3ヵ月以上かかる可能性が極めて高いため、現実的に案内できる確率はかなり低い制度になってしまうでしょうか。
法人企業と個人事業をあわせると400万前後の事業者(統計方法は各省庁でも差があるようです)の中で合計数万件程度ですから、利用率は1%を割る可能性も高そうです。 予算を組むのに最低2ヵ月以上かかってしまうのであれば、やはり利用可能な事業者はかなり少なくなることが見込まれるので、そのぐらい現実的な用途に合致しない補助金制度であるのかもしれません。
販路拡大はスピードが肝要
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