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2021.02.02 Tue  2021.12.17

リモートワークで損する会社、得する会社

Webハック

リモートワークで損する会社、得する会社

なぜか損が浮き彫りになるリモートワーク

感染症の影響下でリモートワークが一般普及の兆しを促し、ある種の“働き方改革”の一環のように市民権を得てきました。 ブロードバンド普及は随分前に整っており、どうしてこのタイミングで在宅ワークが増加してきたのか。リモートワークによって顕在化していく企業の損と得に迫ります。

在宅勤務者がどのようにして増やしやすくなったのか、どうして在宅勤務者はこれまで普及しにくかったのか。テレワークで露呈する企業の営業利益や経費対効果が浮き彫りに。 並列的な雇用賃金形態の崩壊と企業の生き残り戦略ディープインパクトを解説しています

会社の損が浮き彫りになる

リモートワークを積極的に採用することで、大きな収益変動はないものの、なだからに業績が悪化している企業は少なくないかもしれません。

つまり
  • リモートワークで損する会社化
しているわけです。

なぜか同じ業務量や売り上げ高であるはずが、在宅勤務者を増やすことで管理職の仕事が増えて業績が悪化していく場合は、会社が損する要因が顕在化している警告でもあるでしょう。

徐々に会社の損益が浮き上がってきて、漠然とリモートワークに原因がと考える事業者の方も少なくないかもしれません。

たしかにリモートワークが収益源の外枠の原因ではあるものの、慎重に分析して対策していく必要があります。 リモートワークでも業績を落とさず、逆に利益を上げている企業もあるわけですから。

リモートワーク自体が会社に損をさせているわけではない

リモートワークで得をする会社とは

リモートワークに転換しても、従来通り業績を維持したり、利益を増やしている企業もあります。

在宅勤務者を増やして利益が上がる要因としては、以下の3点に集約されていることが予想できます。

賃料
売上を坪あたりの業績考課で算出している場合は、テレワーク普及などにより移転をし、テナントの面積を狭めるだけで自然に売り上げ高はあがり、坪あたりの賃料が減る分、自動的に固定で増益されるようになります。 単純に固定費を削減させているだけですが、見方を変えるとストック益として計上することも可能なわけです。
移動経費

オフィスに出勤させて従業員を一か所に集めて運営される企業は多いですが、テレワークなどで分離可能な業態であれば、移動にかかる時間と通勤費などを大幅に削減可能です。 在宅勤務手当などに比べれば、通勤費の削減はやはり従業員数が多ければ多いほどまとまった固定費削減収益になります。

必然的に訪問営業的な業務が多い企業は、自粛を促されて人員削減や業務スタイルの見直し、営業活動での移動時間、つまりある意味、まったく生産しないことも想定されるアイドル時間が削減されることで、かかる固定費の見直しや削減、営業方法の変化へシフトチェンジが可能でしょう。 うまく営業スタイルをシフトできた企業は、より費用効果の高い営業展開が可能になっています。
人件費

最大のコストである人件費の見直しを、このタイミングで実践する企業も少なくないでしょう。必要な業務やリレーションが、テレワークでデジタライズされることで、従来の算出しにくいアナログ化された覆いを一掃していきます。

クラウドシステムや外部業者へのスポット発注などは、これまで以上に拡大していき、企業自体の足枷にもなっていた人件費を軽減させることで企業収益は良好になります。 同じアウトプットの経費対効果をうまく最適化させた企業は、やはりストック収益を伸ばしていくでしょう。
リモートワークの最大のインパクトは、業務が個別具体的に数値化されやすく、これまで企業文化などで顕在化されにくかった人為的な側面が、多くは唯物論的な視点で労働が取り扱いやすくなってしまうことです。

人件費をベースに上手く最適化した企業は、リモートワークで得をしていく企業であるといえるでしょう。

従業員にとってリモートワークはとんでもない鬼門である

相互監視システムが消失していく

リモートワークで損する会社ですが、同じように業務を続け、売り上げや受注も減ってはいないのに、なぜか収益がなだらかに低下する企業も少なくないかもしれません。

そのような場合の主な原因は、業務自体が従業員の裁量に依存する割合が大きい企業が当てはまりやすいでしょう。

日本の企業では外資系企業などとことなり、一部の経営陣を除き、かなり並列的な傾向があります。これは他者と違いをつけづらいという風土由来のものがあり、一部の人が優遇される傾向を畏怖する習性の影響も大きいでしょう。

ですので、

  • 在宅で仕事ができる業種であっても、出勤しない人がいるのは不公平で容認できない
という、不公平感が突出することを懸念して、多くの企業がリモートワークを積極的に採用してきませんでした。

ところが感染拡大の抑止と政府主導の大義名分のもと、可能は人たちは在宅勤務をするという市民権を得ることができました。

不公平感 < 感染拡大に対する政府主導の推進
これで、それまで企業内に自動的に作動していた“相互監視システム”は事実上、崩壊していくことになります。

事業者の中には、この従業員同士の相互監視システムを上手に利用していた方もいるかもしれませんが、実質的に経費のかからないこのシステムが崩壊していくことで、売り上げや利益が下がり続けるというケースも少なくないかもしれません。

相互監視システムが消失していくことで、各従業員の生産性や能力は数値化されやすくなりますので、これまで集団で収益を上げてきた企業にとっては、かなりのダメージになるかもしれません。

相互監視システムは行動管理システムのように機能していた

能力を発揮する人だけが得をする?

リモートワークにおける最大のインパクトは、業務や個別の生産物や能力が比較的容易に露見することになりますが、逆に能力が高い人やこれまで評価されにくかった人にとては、絶好の機会にもなりやすい傾向がでてきます。

  • チームワークが大切
  • 一人の力ではないもできない
  • 皆がいるから能力が発揮できる
などの旧態依然の概念がわりと早期に破壊されやすくなります。 なによりリモートワーク自体が企業体を細分化して個別に機能させるための効果を十二分に備えているからです。

テレワークにした途端、業務効率が落ちてきている。原因はいったいどこなのか?というボトルネックを特定しやすくなってしまい、同じぐらいの給与体系で仕事をしているはずが、特定の人の業務のみが遅延していたり、滞っていることがヒューマンインターフェースを通さずに数値化されて把握されやすくなります。

その結果、能力が高い人や地道に仕事をしている人は企業にとっては評価を高めざるを得ず、怠慢な人や仕事が遅い人は、どれだけ弁明をしても改善対象の人員として希望退職を迫られる可能性が高くなっていきます。

企業としても、まずはどのような人材を確保していくべきかは再検討を年月とともに促される形になりますが、結果としては常時確保する必要性がない場合は、クラウドシステムやアウトソースという選択肢を常に迫られるようになっていきます。

リモートワークは結果として、必要に応じて個別に契約することが企業にも能力の高い人にも結果的にはWIN-WINの関係になり、それ以外の企業や従業員は何らかの決断を迫られるシチュエーションが各段に増えていくかもしれません。

企業も従業員も、より能力の高い人や適応力の高い人のみが競争に勝ち残る確率が高くなり、能力を発揮する人が得をする可能性がより高まっていくでしょう。

競争のみの社会に勝者や出口は実質的に存在しない

細分化された業務と従業員

さて緊急事態宣言という政府の大義名分のもと、リモートワークという働き方改革は実質的に推進されてしまいますが、体力のある企業や公務員などであれば、比較的耐性は強いかもしれません。 ただ業務内容が細分化されて数値化しやすくなっていくにつれて、どのような組織でも業務内容や従業員の雇用について再考する必然性が持ち出されてくることは容易に想像できます。

得するリモートワーク先は会社や自治体が直接雇用するけれども、損になるリモートワーク先は、後々整理対象としてあらゆる方位から選別と切断される働きかけが起こるでしょう。

これは管理職や経営陣になっていても安心ができず、分別する人員から分別される人員にすぐに入れ替わる危険性が常に発生していきます。

ましてやリモートワークで損を増やしている企業は、遅かれ早かれその決断をしなければならず、得をする企業になるか損を累積させて消滅まで突き進むか、とても厳しい選択を迫られる時勢であることは間違いないかもしれません。

損をしている企業は大きな変革を迫られている

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